まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
停電対策で家庭がやること7選|買う前に決める2つの想定
| 想定 | 実績データ | 必要な備えの性格 |
|---|---|---|
| 平常時の停電(設備事故・落雷) | 1軒あたり年24分・年0.13回(2024年度・OCCTO) | 灯りと情報だけ。買い足しはほぼ不要 |
| 災害停電(短期) | 北海道ブラックアウト 約295万戸・約45時間 | 水・食・トイレ・温度対策を3日分 |
| 災害停電(長期) | 台風15号 約93万戸・99%解消まで約280時間 | 1週間分の備蓄+在宅避難か移動かの判断 |
- 感震ブレーカーの有無を確認する(通電火災対策。自治体の無料配布・補助が使える場合あり/0円〜)
- ブレーカーの復旧手順を紙にして分電盤に貼る(避難時は落とす→復電時は目視して1回路ずつ/0円)
- 電力会社の停電情報ページを登録・ブックマークする(親世帯の住所も/0円)
- わが家の条件で優先順位を決める(次章の判定チャート/0円)
- 灯り・情報を人数分そろえる(ヘッドライト+乾電池ラジオ)
- 水・食・トイレ・温度対策を目標日数分そろえる(水は1人1日3L)
- 電源を必要Whから逆算して選ぶ(モバイルバッテリー/ポータブル電源/家庭用蓄電池)
わが家の停電優先順位 判定チャート|5問で「今日の1手」と「最初の1つ」を決める

Q1. 住まいは?
| 回答 | 今日やる無料の1手 | 買うなら最初の1つ |
|---|---|---|
| A. 戸建て | 分電盤の位置と感震ブレーカーの有無を確認する | ヘッドライト(1人1灯) |
| B. 集合住宅3階以下 | 管理会社に給水方式(受水槽・増圧ポンプの有無)を確認 | 携帯トイレ(1人1日5回想定) |
| C. 集合住宅4階以上 | 停電=断水+エレベーター停止と理解し、水の置き場所を決める | 飲料水。ポータブル電源より先に水 |
Q2. 給湯・調理は?
| 回答 | 今日やる無料の1手 | 買うなら最初の1つ |
|---|---|---|
| A. オール電化(エコキュート) | 非常用取水栓の手順を印刷してタンク前に貼る | カセットコンロ+ボンベ |
| B. 都市ガス | ガスメーターの復帰操作を確認する | カセットコンロ(ガス停止時の保険) |
| C. プロパン | 調理は継続できる前提で、灯りと情報に予算を回す | LEDランタン |
Q3. 発電・蓄電設備は?
| 回答 | 今日やる無料の1手 | 買うなら最初の1つ |
|---|---|---|
| A. 太陽光あり | 晴れた日に自立運転コンセントへの切替を一度試す | 延長コード(自立運転コンセントは1か所) |
| B. 蓄電池・V2Hあり | 停電時に動く回路(特定負荷か全負荷か)を確認 | 追加購入より運用確認が先 |
| C. なし | 必要Whを次章で計算する | モバイルバッテリー(1人1台) |
Q4. 世帯は?
| 回答 | 今日やる無料の1手 | 買うなら最初の1つ |
|---|---|---|
| A. 単身 | 職場・帰宅経路の停電時ルールを確認 | ヘッドライト+モバイルバッテリー |
| B. 子育て | ミルク・おむつの残量ルールを決める | 液体ミルク(常温で使える) |
| C. 高齢親と別居 | 親世帯住所の停電情報を確認する導線を作る | 親宅用の乾電池ランタン |
| D. 在宅医療機器あり | 電力会社と機器業者への事前連絡(最優先) | 医師・業者と相談して決める |
注意
Dの在宅医療機器がある家庭は、本記事の計算や製品選びを自己判断で完結させないでください。外部バッテリーの使用可否・稼働時間は機種ごとに異なるため、必ず機器メーカーの保守窓口とかかりつけ医に確認し、電力会社への事前連絡を済ませてください。
Q5. 想定する季節は?
- 夏:冷房喪失=熱中症リスク。東京消防庁(2025)によると、令和7年の管内熱中症救急搬送人員は過去最多の9,125人、うち65歳以上が4,803人と半数を超えました。保冷剤・凍らせたペットボトル・充電式扇風機、そして日中は涼しい施設へ移る判断を優先します。
- 冬:低体温と一酸化炭素中毒。重ね着・毛布・カイロを基本にし、燃焼器具は必ず換気しながら使います。
停電対策のバッテリーは家庭用でどれを選ぶ?必要Wh電卓(冷蔵庫を回すか問題)
実測ベースの消費電力と1日/2日/3日の必要Wh
| 機器 | 消費電力の目安 | 1日 | 2日 | 3日 |
|---|---|---|---|---|
| スマホ充電2台 | 約10Wh/回×2 | 20Wh | 40Wh | 60Wh |
| Wi-Fiルーター+ONU | 12W×24h | 288Wh | 576Wh | 864Wh |
| LEDランタン | 5W×5h | 25Wh | 50Wh | 75Wh |
| 扇風機(強) | 30W×8h | 240Wh | 480Wh | 720Wh |
| 電気毛布 | 50W×8h | 400Wh | 800Wh | 1,200Wh |
| 冷蔵庫 | 実効平均40W×24h | 960Wh | 1,920Wh | 2,880Wh |
| CPAP等 | 30W×7h | 210Wh | 420Wh | 630Wh |
計算式と結論
必要Wh = Σ(W×h) ÷ 0.8(DC-AC変換ロス) × 1.3(低温時の性能低下・余裕率)
| 構成 | 1日あたり | 3日あたり | 判断 |
|---|---|---|---|
| 冷蔵庫を諦める最小構成(スマホ・ルーター・ランタン・扇風機) | 約900Wh | 約2,700Wh | 1,000Wh級ポータブル電源+日中のソーラー補充で現実的 |
| 冷蔵庫込み | 約2,400Wh | 約7,200Wh | ポータブル電源単体では非現実的。ソーラーパネル併用か、冷凍庫の保冷剤運用へ切替 |
停電対策の家庭用蓄電池は必要か
| 項目 | ポータブル電源 | 家庭用蓄電池(定置型) |
|---|---|---|
| 使い方 | 使いたい機器を直接つなぐ | 分電盤経由で家の回路へ給電 |
| 停電時に動く範囲 | つないだ機器のみ | 特定負荷型は一部回路/全負荷型は家全体 |
| 太陽光との関係 | 別売パネルで日中に充電 | 連携すれば昼に充電し夜に放電できる |
| 設置 | 不要(届いた日から使える) | 工事が必要 |
| 停電対策としての向き | 3日程度の在宅避難、賃貸 | 長期停電・太陽光がある持ち家 |
計画停電への対策は家庭で何が違う?災害停電との3つの相違点
| 論点 | 災害停電 | 計画停電 |
|---|---|---|
| 予告 | なし | あり(グループ・時間帯が事前公表) |
| 継続時間 | 数十分〜数週間 | 数時間単位で区切られることが多い |
| 重心 | 備蓄と安全確保 | 事前の充電・調理・情報共有 |
- 自宅がどのグループかを確認する:電力会社の公表情報で自分の住所のグループと想定時間帯を控えます。
- 開始前に充電を終える:スマホ・モバイルバッテリー・ポータブル電源を満充電にし、ノートPCも充電しておきます。
- 開始前に調理と保冷を済ませる:温かい食事を先に作り、冷凍庫は詰めて(=保冷力が上がる)扉を閉じたままにします。
- 開始前に電源プラグを抜く:復電時の突入電流や器具の作動を防ぐため、暖房器具・アイロン等は抜いておきます。
- エレベーター・自動ドア・オートロックの扱いを確認する:集合住宅では閉じ込め回避のため、時間帯の外出を避ける判断も必要です。
- 家族・親世帯に時間帯を共有する:在宅医療機器がある場合は、計画停電の連絡が来た時点で機器業者と電力会社に相談します。
停電対策で見落とされる副作用①:復電時の通電火災と感震ブレーカー
| タイプ | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 簡易型(おもり・バネ式) | 数千円程度〜(自治体により無料配付あり) | 工事不要のものが多く賃貸でも導入しやすい |
| 分電盤タイプ | 数万円程度 | 感知精度・機能が高いが設置工事が必要 |
注意
在宅医療機器がある家庭では「揺れたら即遮断」がかえって危険になり得ます。遮断までに時間差のあるタイプの選択や、機器側の予備電源とセットでの検討を、必ず専門業者・医療機器業者に相談してください。また感震ブレーカーの有無にかかわらず、避難時はブレーカーを落としてから家を出るのが基本です。
停電対策で見落とされる副作用②:備えた電池が火元になる
- 点検:膨張・発熱・強い落下歴のあるものは使用をやめる(高齢親の家の分も忘れずに)。
- 保管:夏の車内や直射日光の当たる場所を避ける(事故は6〜8月がピーク)。
- 廃棄:普通ごみに混ぜず、自治体の回収ルールかメーカー・販売店の回収窓口へ。
停電時に必要なものリスト|最低限の7点と目標日数別の増やし方
| # | 必要なもの | 数量の目安(大人2人) | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 1 | 懐中電灯・LEDランタン・ヘッドライト | 1人1灯+室内用に1台 | 移動時は両手が空くヘッドライトが安全。ろうそくは避ける |
| 2 | 予備の乾電池 | 使用機器の2回分 | 単3・単4の取り違えに注意 |
| 3 | モバイルバッテリー | 1人1台(20,000mAh級≒74Wh) | 年2回、膨張と使用年数を点検 |
| 4 | 乾電池式・手回しラジオ | 1台 | スマホが圏外でも情報が取れる |
| 5 | 飲料水 | 1人1日3L(2人×1日=6L) | 3日分18L、1週間分42L |
| 6 | カセットコンロ+ボンベ | 本体1台+ボンベ6本程度〜 | オール電化ほど優先度が高い。製造7年以内 |
| 7 | 携帯トイレ | 1人1日5回想定 | 集合住宅4階以上は停電=断水と考える |
- 〜3日を目指す:水・食料を3日分へ、ボンベを増量、凍らせたペットボトルを常備、必要Whを計算してポータブル電源を検討。
- 1週間超を目指す:水21L/人・ボンベ6本程度へ、電池のローリングストック、給水拠点の確認、携帯トイレの大量備蓄、在宅避難か移動かの判断基準を家族で決める。
停電したときの対処法|初動5ステップと復電時のNG
- 安全確認:暗がりで動く前に足元と火の元(コンロ・ストーブ)を確認します。
- 明かりの確保:懐中電灯・ヘッドライトを点けます(ろうそくは火災リスクのため避ける)。
- 範囲の確認:自宅だけか近隣もかを見ます。自宅だけならブレーカーを確認し、上げてもすぐ落ちる場合は漏電の可能性があるため、無理に復旧させず電力会社・電気工事店へ相談します。
- 情報の入手:電力会社の停電情報サイト・アプリで範囲と復旧見込みを確認します。なお東京電力パワーグリッド(2025)によると、高圧以上で受電する使用場所を対象に、事前登録したメールアドレスへ停電情報を通知する「停電情報通知サービス」が無料で提供されています(一般家庭の低圧契約は対象範囲が異なるため、契約中の電力会社の案内を確認してください)。
- 電源プラグを抜く:暖房器具・アイロン等のプラグを抜き、避難する場合はブレーカーを落としてから家を出ます。
- 発電機を室内・ベランダなど換気の悪い場所で使う(一酸化炭素中毒のおそれ)
- 換気せずにストーブ・カセットこんろを長時間使う
- 漏電が疑われるのにブレーカーを上げ続ける
- 冷蔵庫を頻繁に開ける/傷みが疑われる食品を見た目だけで判断して食べる
- 未確認情報・デマをSNSで拡散する
年2回・10分の停電メンテ表(3月/9月)|0円で今日できるのは6項目
| # | 項目 | 所要 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 1 | モバイルバッテリーの膨張・発熱・使用年数を目視(3〜4年で更新。2026年4月から回収ルートあり) | 2分 | 0円 |
| 2 | ポータブル電源を60〜80%に補充(長期保管の自己放電対策) | 1分 | 0円 |
| 3 | 所有製品のリコール情報をNITE・メーカーサイトで照合 | 2分 | 0円 |
| 4 | カセットボンベ底面の製造年月を確認(7年で入替・ローリングストック) | 1分 | 実費 |
| 5 | 懐中電灯の乾電池を抜いて液漏れ確認 | 1分 | 実費 |
| 6 | 感震ブレーカーの有無を確認、なければ自治体の配布・補助の受付状況を確認(年度予算で先着終了) | 3分 | 0円〜 |
| 7 | 電力会社の停電情報ページをブックマーク+親世帯の住所も確認 | 1分 | 0円 |
| 8 | 毎月1日・15日の171体験利用で家族の伝言ルールを1回練習 | 3分 | 0円 |
| 9 | 冷凍庫に凍らせた500mlペットボトル4本を常備(保冷剤兼飲料水) | 1分 | 実費 |
| 10 | ブレーカー位置と「避難時に落とす→復電時は目視して1回路ずつ戻す」手順を紙で分電盤に貼付 | 3分 | 0円 |
停電対策のよくある質問
停電対策で家庭は何から始めればよいですか?
停電対策のバッテリーは家庭用でどれくらいの容量が必要ですか?
停電対策に家庭用蓄電池は必要ですか?
計画停電の対策は家庭で何をすればよいですか?
停電はどのくらいの時間を想定して備えればよいですか?
停電中、冷蔵庫の食品は何時間もちますか?
オール電化の家は停電するとどうなりますか?
太陽光発電があれば停電しても電気は使えますか?
マンションで停電すると水も止まるのはなぜですか?
離れて暮らす高齢の親には何をしておけばよいですか?
防災用に買ったモバイルバッテリーは点検が必要ですか?
補足
本記事は家庭での一般的な停電対策をまとめたものです。医療機器の運用、建物設備、補助金・支援制度、蓄電池の設置可否など個別判断が必要な事項は、かかりつけ医・機器業者・電力会社・管理会社・お住まいの自治体の一次情報を必ずご確認ください。制度は年度により変更されます。




