エレベーター地震の対処法|停止16.6万台で本当に困る86%側の備え
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エレベーター地震の対処法|停止16.6万台で本当に困る86%側の備え

まな先生解説
こころ質問
すい要点整理

結論:地震でエレベーターに乗っていたら何をすべきか

乗っている最中の行動

  1. 全階のボタンを押す:地震時管制運転装置が未設置でも、最寄り階に止まる可能性を上げられます。
  2. 最初に停止した階で降りる:目的階まで行こうとしないでください。
  3. 降りたら階段へ:余震・停電で再停止するため、避難にエレベーターは使いません。

閉じ込められたときの最初の3手

  1. 非常ボタンを押し、インターホンで状況を伝える
  2. 応答がなくても、時間を置いて繰り返し押す
  3. 操作盤に記載された保守会社の連絡先をスマホで撮影しておく
注意

天井から脱出しようとする、扉をこじ開ける、といった行動は重大な事故につながるおそれがあります。かごが突然動く可能性があるため、行わないでください。

乗っていないときにやるべきこと

なぜエレベーターは地震で止まるのか?主な原因を深掘り

なぜエレベーターは地震で止まるのか?主な原因を深掘り

原因1:地震時管制運転装置による自動停止

原因2:停電

原因3:昇降路内の変形・異物

原因4:保守員が来られない

補足

大規模地震では、この「原因4」が復旧時間を決める最大の要因になります。設備が新しくても、地域全体で保守員が不足すれば順番待ちは避けられません。

原因別の見分け方:閉じ込めか、長期停止か

状況見分け方想定される復旧の順番
閉じ込め発生かご内に人がいる/インターホンがつながる最優先で救出に向かう
閉じ込めなしの停止扉が開いた状態で止まっている、表示が消えている救出対応の後。数日かかることがある
停電による停止建物全体が停電している通電後、点検を経て再開
自動診断による仮復旧一定時間後に自動で動き出す200Gal以下で異常なしなら約30分が目安
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具体的な解決方法:自宅・実家の復旧速度を今日調べる

5問診断チャート:地震後“何時間”で復旧するか

  1. Q1 そのエレベーターの設置(または全面リニューアル)は2009年9月以降ですか?
  • Yes → 地震時管制運転装置は付いている可能性が高い。Q2へ
  • No → 管理会社・管理組合に「地震時管制運転装置は付いていますか」と確認。付いていなければ判定Cへ
  1. Q2 保守契約に遠隔監視は付いていますか?
  • 日本エレベーター協会「2024年度昇降機設置台数等調査結果報告」(2025年8月)によると、協会会員が保守する762,223台のうち遠隔監視付は596,096台(約78%)です
  • Yes → Q3へ/No → 判定C寄り
  1. Q3 リスタート運転、または自動診断・仮復旧運転が付いていますか?
  • Yes → 判定A/No → 判定B
  1. Q4 かご内に防災キャビネット・防災チェアがありますか?
  • なければ、判定にかかわらず今週の課題です
  1. Q5 建物は首都直下地震緊急対策区域など、保守員が集中的に不足しうるエリアですか?
  • Yes なら、各判定の想定時間を1段階遅い側で見積もってください
判定想定復旧時間今週やること(1つだけ)
A:自動仮復旧型約30分〜数時間防災キャビネットの中身の消費期限を確認する
B:遠隔監視あり・保守員待ち半日〜1日管理組合に自動診断・仮復旧運転の見積を依頼し、東京都の補助率1/2・上限200万円の対象か確認する
C:管制運転なし・遠隔監視なし数日〜保守会社に電話し、設置年と装置の有無を確認する
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全国の3割は地震時管制運転装置が未装備

相手別・確認の一言テンプレ

あなたの立場誰に聞くか言い方の例
分譲マンション管理組合・管理会社「防災の確認です。EVの設置年と、地震時管制運転装置・自動診断仮復旧の有無を教えてください」
賃貸管理会社「地震でEVが止まったとき、どこに連絡すればよいですか。管制運転装置は付いていますか」
実家(親が持ち家)親経由で管理組合「長期修繕計画にEVの地震対策が入っているか、総会資料を見せて」
実家(親が賃貸)親経由で管理会社「停電時にEVがどうなるか、非常時の連絡先を紙で欲しい」
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補足

電話で聞く際は「設置年」「地震時管制運転装置」「自動診断・仮復旧運転」「遠隔監視」の4語をそのまま使うと話が早く進みます。

ケース別の対処:エレベーター内での90秒プロトコル

時間帯×同乗者マトリクス

経過時間一人子ども連れ高齢の親と車いす
0〜10秒全階のボタンを押す/手すりを掴んでしゃがむ同左+子どもを抱き寄せる同左+転倒を防ぐ同左+ブレーキをかける
10〜60秒非常ボタンは押しっぱなしにせず数秒ずつ子どもに「すぐ助けが来る」と伝える先に座らせ、常用薬とトイレの有無を口頭確認座位のまま姿勢を安定させ、床ずれ・むくみに注意
1〜5分操作盤の連絡先番号をスマホで撮影→メモも取る同左+遊びに変える(数を数える等)同左+服薬時刻を確認同左+介助者の到着見込みを共有
5分〜数時間30分おきに非常ボタンを押し直す/体温を保つ水分を少量ずつ/泣いても抱えて落ち着ける姿勢を変える時間を決める/会話を絶やさない除圧のため定期的に姿勢を変える
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やってはいけない3つ

  1. 天井から出ようとする
  2. 扉をこじ開ける
  3. 全員でドアに寄りかかる
注意

かごが復旧作業で突然動く場合があります。扉や天井への働きかけは、いずれも重大な事故につながるおそれがあるとされています。救助を待つのが最も安全です。

持ち物3点セット(個人版・建物版)

  • 個人版(かばんに常備):小型ライト/携帯トイレ/モバイルバッテリー
  • 建物版(かご内に設置):防災キャビネットの標準仕様は4名×1日分。保存水500ml×10本、簡易トイレ、多機能ラジオライト、アルミブランケット等が入っています(キングジム・コクヨの製品仕様、新宿区の現物支給事業より)

予防・再発防止のコツ:止まったままの1週間を設計する

水と食料の運搬を数字で考える

要配慮者別の事前準備

対象事前に決めておくこと
高齢の親常用薬の予備日数(できれば1週間分)/通院の延期可否をかかりつけ医に事前確認/階段昇降が困難な場合の連絡先
乳幼児連れベビーカーは使えない前提で抱っこひもを常備/おむつ・ミルクの備蓄を上乗せ
車いす利用者建物内の避難ルートと介助体制を管理組合と共有/自主防災組織への事前登録
一人暮らし安否確認の相手を2人決めて相互登録/在宅避難できる備蓄を優先
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在宅避難が国の方針に

閉じ込め対策の費用はいくら?補助金と決裁ルートの比較

対策5つの比較表

対策効果の種類復旧までの時間の変化概算費用の考え方使える公的支援決裁主体
①防災キャビネット/防災チェア閉じ込めても耐えられる変わらない数万円台〜(製品による)港区・中央区は現物無償配布/新宿区は1組織1回・最大2個/文京区は上限7万円の助成管理組合(自治体事業の申請主体は組織単位が多い)
②リスタート運転機能閉じ込め時間を短縮自動での復帰を試みる改修工事扱い東京都「東京とどまるマンション」補助率1/2・上限200万円管理組合の総会決議
③自動診断・仮復旧運転機能閉じ込め時間を短縮200Gal以下で異常なしなら約30分で仮復旧(日立ビルシステム等の解説による)。なしなら保守員到着待ちで、閉じ込め救出が優先され後回し改修工事扱い同上(東京都、補助率1/2・上限200万円)管理組合の総会決議
④遠隔監視閉じ込め自体の把握を早める検知・連絡が早くなる保守契約の内容による保守契約の見直しで対応可能な場合あり管理組合・オーナー判断
⑤停電時自動着床装置閉じ込め自体を回避停電時に最寄り階まで運転改修工事扱い大阪市の改修補助等管理組合の総会決議
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主な補助制度(2026年8月時点)

  • 東京都:2025年5月30日の報道発表で、「東京とどまるマンション」登録の既存マンション向けに「エレベーター閉じ込め防止対策促進事業」の補助を開始。リスタート運転機能と自動診断・仮復旧運転機能の整備が対象で、補助率1/2・上限200万円。マンホールトイレ整備(補助率2/3・上限40万円)も対象化されました。受付は東京都防災・建築まちづくりセンターです。
  • 大阪市:エレベーター防災対策改修補助事業は令和8年度から限度額を拡充。対象工事1〜5は上限273万1千円、工事6・7は上限86万2千円(工事1と併せて実施する場合は71万8千円)。補助率は対象工事費の23.0%。対象は平成26年3月31日以前設置かつ延べ面積1,000㎡以上の共同住宅のエレベーターで、長期修繕計画への計上が要件です。受付は2026年4月1日〜12月18日、工事契約前の事前協議が必須とされています。
  • 文京区:中高層共同住宅等エレベーター閉じ込め対策費用助成、上限7万円。
  • 港区・中央区・新宿区:防災キャビネット・防災チェアの現物配布制度があります。
注意

補助制度は年度ごとに要件・金額・受付期間が変わります。申請前に必ず各自治体の最新の公式ページで確認し、工事契約前の事前協議が必要な制度に注意してください。

立場別・言い方テンプレ

立場誰にそのまま使える一言
分譲(区分所有者)管理組合の理事会「次回総会の議案に、EVの自動診断・仮復旧運転の導入検討を入れてください。東京都の補助率1/2・上限200万円が使えるか確認したいです」
賃貸(入居者)管理会社「かご内に防災キャビネットの設置をご検討いただけませんか。区の無償配布制度があるか確認をお願いします」
実家(親が持ち家)管理組合「長期修繕計画にEVの地震対策を計上できないか、次の理事会で議題にしてほしい」
実家(親が賃貸)管理会社「高齢の入居者がいるため、停電時の対応と非常時の連絡先を書面でいただけますか」
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専門家・公的情報の見解:どこまでが確認された事実か

都心南部直下地震(M7.3)における都内のエレベーター停止台数は約166,000台、うち人の閉じ込めにつながり得る停止台数は22,426台(閉じ込め率13.5%)。前回想定の7,473台から約3倍に増えたのは、2018年大阪府北部地震の実態を踏まえ、閉じ込め発生割合を高く見積もり直したためとされています。

— 東京都防災会議「首都直下地震等による東京の被害想定」(令和4年5月25日公表)

都心南部直下地震の新被害想定では、エレベーター内に閉じ込められる人は約1万6000人。死者は最悪ケースで約1万8000人、経済被害は総額82兆円超と推計されています。

— 中央防災会議 防災対策実行会議 首都直下地震対策検討ワーキンググループ(令和7年12月19日公表)

補足

被害想定は前提条件(発生時刻・季節・風速など)で数値が変わります。数字は「上限の目安」ではなく「対策の優先順位を決める材料」として使うのが実務的です。

やってはいけないNG対応

  1. 天井の点検口から脱出しようとする:かごが動き出す可能性があり、極めて危険とされています。
  2. 扉をこじ開ける:昇降路に転落するおそれがあります。
  3. 避難のためにエレベーターを使う:余震や停電で再停止します。階段を使ってください。
  4. 非常ボタンを押し続ける:数秒ずつ、時間を空けて押し直すほうが確実です。
  5. 管制運転で止まった=壊れたと判断して連絡しない:安全動作である可能性が高いものの、復旧には手順が必要です。管理会社への連絡は行ってください。
  6. 「新しい建物だから大丈夫」と確認を省く:装置の有無は設置年だけでは断定できません。管理会社への確認が確実です。
  7. 地震後に自己判断で運転を再開する:点検前の使用は避け、専門業者の確認を待ってください。
注意

体調不良や持病の悪化が疑われる場合は、我慢せず非常ボタンで症状を具体的に伝えてください。救出の優先順位に関わります。医療的な判断は医師にご相談ください。

まとめ:今日やる3つのこと

よくある質問

Q1. エレベーターに地震で閉じ込められたら、どのくらいで助けが来ますか?

Q2. エレベーターの地震感知器はどんな仕組みですか?

Q3. 地震でエレベーターが停止したあと、復旧方法はどうすればよいですか?

Q4. うちのエレベーターに地震時管制運転装置が付いているか、どう調べればよいですか?

Q5. 高齢の親が一人で住んでいます。何から準備すればよいですか?

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