防災グッズを100均でそろえること自体は、合理的な選択です。ただし「全部100均」でも「全部専門品」でもなく、品目ごとに線を引くのが正解です。
判断軸はシンプルに2つだけです。
- その分野に公的な規格・認証があるか(あるのに100均品が未取得なら置き換える)
- 公式の計算式で何個必要か(数がいる消耗品は100均で数をそろえる)
この2軸で仕分けると、たとえば携帯トイレは「4人家族3日分=60回分」が必要で、110円の携帯ミニトイレを60個買うのではなく、7割を規格適合品、3割を100均品という配分に落ち着きます。以下、その線引きを具体的な商品名と点数まで落とし込みます。
100均で「そろえる」のは点数ではなく回数です。1個ずつカゴに入れて満足すると、実際の災害時に2日目で足りなくなります。
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結論:防災グッズは100均で何を買い、何を買わないべきか?
100均で買うべきは「使い切りで数がいるもの」、買わないべきは「公的規格があるのに100均品が未取得のもの」です。この2分類で迷いはほぼ消えます。
具体的には次の3群に分かれます。
【OK群】100均でそろえてよいもの
消耗品と、失敗しても命に直結しない道具です。
- ポリ袋・45Lゴミ袋
- ホイッスル
- 圧縮タオル
- アルミブランケット
- 非常用給水バッグ(セリア・最大水位5L/税込110円/300×435mm・ダブルジッパー全開口式)
- マスク・軍手
- 使い捨てカイロ
- 油性マジック・養生テープ
- ウェットティッシュ
分類根拠:これらは性能差が結果を左右しにくく、必要なのは「量」だからです。内閣府『防災に関する世論調査(令和7年8月調査)』(2025年)でも、衛生用品を3日分以上備蓄している人は38.4%にとどまっています。
【+α群】100均でよいが条件つきのもの
買い方に注意が必要な品です。
- 乾電池式ライト:明るさ(lm)と連続点灯時間の店頭表示を必ず確認する
- 携帯ミニトイレ(ダイソー・税込110円/1回分):規格適合品と混ぜて数を稼ぐ用途に限定
- 段ボール組立式 非常用簡易トイレ(ダイソー・税込550円/耐荷重80kg/24×30×32cm)
- 耐震ジェル:単独ではなくストッパー式+ポール式の併用が前提
【不可群】100均では代替しないほうがよいもの
- ヘルメット:厚生労働省『保護帽の規格』の型式検定合格品には〔労・検〕ラベルが貼付されます。ラベルのない保護帽は使用してはならないとされています。
- モバイルバッテリー:製品評価技術基盤機構(NITE)の2025年公表資料によると、2020〜2024年の5年間でリチウムイオン電池搭載製品の事故は1,860件、うち約85%が火災に発展しています。
- 家具固定金具の単独運用:後述のとおり、組み合わせが前提です。
- 長期保存水・非常食:賞味期限が短く、ローリングストック向きです。
100均のヘルメット風商品や折りたたみヘルメットには、〔労・検〕ラベルのないものがあります。パッケージのラベル有無を必ず現物で確認してください。
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主な原因を深掘り:なぜ「1個ずつ買って安心」してしまうのか

原因は、上位に並ぶ「100均防災まとめ記事」が点数と総額しか示さず、必要“回数”の計算式を書いていないからです。読者は判断材料を持たないまま買い物を終えます。
原因1:総額インパクトが基準になっている
「全部そろえて1,870円」「16点+リュックで2,310円」といった数字は分かりやすく、記憶にも残ります。ですが、これは点数の合計であって、必要量の充足ではありません。
1,870円の防災ボトルは、外出先で被災したときの携行品としては合理的です。しかし在宅避難3日分の備蓄としては、水も携帯トイレも圧倒的に足りません。用途が違うものを、同じ「防災グッズ」という言葉でくくってしまうことが混乱の元です。
原因2:備蓄率のデータが「品目ごとの偏り」を示している
内閣府『防災に関する世論調査(令和7年8月調査)』(2025年10月公表)によると、3日分以上備蓄している割合は次のとおりです。
| 品目 | 3日分以上備蓄している割合 |
|---|---|
| 飲料水 | 69.8% |
| 食料品 | 59.8% |
| 衛生用品 | 38.4% |
| 食品加熱用熱源 | 27.7% |
| 携帯トイレ・簡易トイレ | 27.2% |
飲料水と携帯トイレの差は40ポイント以上あります。水は「3日分」という数字が広く知られている一方、トイレには目安の数字が広まっていないことが、この差の実態に近いと考えられます。
原因3:100均の価格帯が変わったことが反映されていない
ダイソーは段ボール組立式の『非常用簡易トイレ』(税込550円・耐荷重80kg)を投入し、売り切れが出ています(2026年8月時点のダイソーネットストア商品ページおよび実店舗レポートで確認)。防災用品の価格帯は110円〜550円に広がりました。
「100均=110円」という前提で書かれた既存記事の予算計算は、すでにズレ始めています。
「安く一式そろった」という達成感の正体は、点数の充足であって量の充足ではありません。次章の計算式で、自分に必要な数を確定させてください。
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原因別の見分け方:100均でOKかNGかを3問で判定する
判定は3問のYES/NOで完了します。所要時間は商品1点あたり10秒ほどです。
判定フローチャート
``` 【Q1】失敗したとき直接命に関わるか? (頭部保護・発火・水没に関わるか) │ YES ├──────────→【Q2】へ │ NO └──────────→【Q3】へ
【Q2】その分野に公的な規格・認証が存在するか? (保護帽の〔労・検〕ラベル/PSEマーク/ 携帯トイレ規格Ver.1.0/SIAA抗菌) │ 存在するのに100均品が未取得 └──────────→【不可群】 │ 規格自体が存在しない or 取得済み └──────────→【+α群】
【Q3】1回使い切りで数が要るか? │ YES └──────────→【OK群】 │ NO └──────────→【+α群】 ```
【OK群】=100均でそろえる
ポリ袋/45Lゴミ袋/ホイッスル/圧縮タオル/アルミブランケット/非常用給水バッグ(セリア5L・110円)/マスク/軍手/使い捨てカイロ/油性マジック/養生テープ/ウェットティッシュ
根拠:使い切りで必要なのは量であり、公的規格が結果を左右する領域ではないためです。
【+α群】=100均でよいが確認・併用が前提
乾電池式ライト(lmと連続点灯時間を店頭表示で確認)/携帯ミニトイレ(110円・1回分/規格適合品と混ぜて数を稼ぐ)/段ボール簡易トイレ(550円・耐荷重80kg)/耐震ジェル(ストッパー式+ポール式の併用が前提)
根拠:単独では性能が担保されないものの、正しい使い方をすれば全体の底上げに寄与するためです。出典:東京消防庁『地震に備える〜家具類の転倒・落下・移動防止対策〜』(2015年)
【不可群】=100均では代替しない
ヘルメット(〔労・検〕ラベルなし)/モバイルバッテリー(NITE:5年で1,860件・約85%が火災)/命を預ける固定金具の単独運用/長期保存水・非常食(賞味期限が短くローリングストック向き)
根拠:公的な規格・認証が存在するのに未取得である、または事故統計が示すリスクが具体的だからです。出典:厚生労働省『保護帽の規格』、NITE『夏バテ(夏のバッテリー)にご用心』(2025年6月26日)
Q2で使う「規格があるか」は、店頭でパッケージのマーク(〔労・検〕/PSE/SIAA)を見れば分かります。マークを探す習慣が、そのまま仕分けの技術になります。
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具体的な解決方法:世帯別に「カゴに入れる点数」を確定させる
必要量は「3L×人数×日数」と「5回×人数×日数」の2つの式でほぼ決まります。以下の早見表をそのまま買い物メモにしてください。
世帯別 100均カゴ入れ点数 早見表
| 品目 | 計算式 | 4人家族3日 | 4人家族7日 | 一人暮らし7日 | 高齢親2人7日 | 100均で買う点数・概算 | 100均で代替不可の推奨品 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ①飲料水 | 3L×人数×日数 | 36L(2L×18本) | 84L(2L×42本) | 21L(2L×11本) | 42L(2L×21本) | 給水バッグ(セリア5L)2〜3枚=220〜330円 | 市販2Lペットボトル(ローリングストック) |
| ②携帯トイレ | 5回×人数×日数 | 60回 | 140回 | 35回 | 70回 | 携帯ミニトイレ(110円/1回)18個=1,980円 | 規格適合品42回分(ケンユー ベンリー袋/総合サービス サニタクリーン等) |
| ③ゴミ袋(45L) | 携帯トイレ回数÷5 | 12枚 | 28枚 | 7枚 | 14枚 | 1〜3パック=110〜330円 | ― |
| ④ウェットティッシュ | 1人1日1パック | 12パック | 28パック | 7パック | 14パック | 12〜28パック=1,320〜3,080円 | ― |
| ⑤乾電池 | ライト1台の必要本数×2セット | 単3×8本 | 単3×8本 | 単3×4本 | 単3×8本 | 2〜4パック=220〜440円 | ― |
| ⑥圧縮タオル/アルミブランケット | 1人1枚 | 各4枚 | 各4枚 | 各1枚 | 各2枚 | 各110円×人数 | ― |
出典:飲料水の目安は農林水産省『家庭備蓄ポータル/災害時に備えた食品ストックガイド』(2019年)、排泄回数の目安は内閣府(防災担当)『避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン』(2016年)。
差額はどこから生まれるか
4人家族3日分を100均だけで組むと、携帯トイレ60個=6,600円が総額を押し上げます。上位記事が提示する「総額1,870円」との差は、携帯トイレを1〜2個しか計上していないことから生まれています。
配分ルールを適用すると、こうなります。
- 必要60回分のうち7割(42回分)=規格適合品へ置き換え
- 残り3割(18回分)=ダイソー携帯ミニトイレ110円×18個=1,980円(持ち歩き用・数合わせ)
セリアの非常用給水バッグ(最大水位5L・110円)は運搬用です。給水車から水を運ぶための袋であり、長期の備蓄容器ではありません。備蓄そのものは市販の2Lペットボトルで行ってください。
高齢親に送る場合の運用チェック欄
離れて暮らす親に100均パックを送るときは、点数より運用が要になります。以下を1つずつ確認してください。
- 開封しやすさ:袋の開け口が硬くないか。凝固剤の小袋を自力で切れるか。
- 説明書の文字サイズ:読めなければ、太いマジックで手書きの手順書を1枚同封する。
- お薬手帳のコピー:1部入れておく。
- かかりつけ医と緊急連絡先メモ:紙で。スマホが使えない前提にする。
- 首から下げるホイッスル:ひも付きで、常に身につけられる形にする。
農林水産省は『要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド』(2019年)を通常の備蓄ガイドとは別建てで公開しており、常備薬はローリングストック方式(普段分と別に用意し、古い方から使って補充)で備えることが推奨されています。
送る前に、自分で一度開封して組み立ててみてください。「自分でできたか」ではなく「親の手でできるか」が判断基準です。
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100均の簡易トイレは規格適合品と何が違う?スペック比較
違いは「第三者による性能検証を受けているかどうか」です。価格差ではなく、検証の有無が分かれ目になります。
NPO法人日本トイレ研究所は『携帯トイレに関する規格Ver.1.0』を策定し、2025年8月18日に第1弾の適合製品リストを公表しました。構造・吸収性能・表示を必須項目、防臭性能を任意項目として評価するものです。
2025年12月24日現在の適合製品リストの登録は8件(ケンユー、総合サービス、セットアップ横浜、シエラ、ニード×2、キガ、無臭元工業)で、100円ショップのプライベートブランド製品は1件も含まれていません。
携帯トイレ:100均品 vs 規格適合品
| 製品 | 価格 | 1回あたり単価 | 吸収剤の形状 | 規格適合評価(構造/吸収/防臭/表示) | 防臭性能の第三者裏付け | 想定用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ダイソー 携帯ミニトイレ | 110円(1回分) | 110円 | 凝固剤 | 登録なし | なし | 持ち出し用の補助 |
| ダイソー 非常用簡易トイレ(段ボール式) | 550円 | ―(便座本体) | ― | 登録なし | なし | 便座代替(在宅避難の器具) |
| ケンユー ベンリー袋 防臭袋プラス100回分 BI-100V | 市販価格 | 100回分の分割単価 | 凝固剤 | 適合/適合/適合/適合 | あり | 在宅避難のメイン備蓄 |
| 総合サービス サニタクリーン簡単トイレ | 市販価格 | セット構成による | 吸収シート | 適合/適合/適合/適合 | あり | 在宅避難のメイン備蓄 |
| ニード 災害用トイレ処理セット NS-100 | 市販価格 | 100回分の分割単価 | 凝固剤 | 適合/適合/適合/適合 | あり | 在宅避難のメイン備蓄 |
※適合欄は日本トイレ研究所『携帯トイレに関する規格Ver.1.0 適合製品リスト』(2025年12月24日現在)の記載にもとづきます。100均品は「規格適合評価の登録なし=性能が第三者検証されていない」という事実を示すものであり、製品の品質が劣ることを意味するものではありません。
配分ルール
必要回数を出したうえで、次のように分けます。
``` 必要回数 = 5回 × 人数 × 日数 規格適合品 = 必要回数 × 0.7 100均品 = 必要回数 × 0.3(数合わせ+持ち歩き用) ```
4人家族3日分なら、60回×0.7=42回分を規格適合品、60回×0.3=18回分を100均品という配分です。
携帯トイレの規格適合評価は、災害時に安心して使える構造・性能を有する製品を評価し、利用者の製品選択を支援するとともに携帯トイレの質の向上に寄与することを目的とする — NPO法人日本トイレ研究所『携帯トイレに関する規格適合評価』(2025年)
携帯トイレは「規格適合品かどうかで選べる」時代に入りました。100均品を否定するのではなく、メインを適合品に、補助を100均品にという役割分担が現実的です。
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ダイソー・セリアで実際に買える防災グッズはどれ?
ダイソーは価格帯の広さ、セリアは水まわりの実用品に強みがあります。店舗によって在庫は大きく異なる点に注意してください。
ダイソー 防災グッズの実勢
ダイソーの防災用品は110円〜550円の価格帯に広がっています。注目は次の2点です。
- 非常用簡易トイレ(段ボール組立式):税込550円/耐荷重80kg/24cm×30cm×32cm。売り切れが発生しています(2026年8月時点で確認)。
- 携帯ミニトイレ:税込110円(1回分)。数を稼ぐ用途に向きます。
段ボール式の簡易トイレは「便座」であって「処理袋」ではありません。本体+携帯トイレ(袋と凝固剤)はセットで必要です。ここを分けて考えないと、便座だけ買って使えない状態になります。
セリア 防災グッズの実勢
セリアで押さえておきたいのは給水まわりです。
- 非常用給水バッグ:最大水位5L/税込110円/300×435mm/ダブルジッパー・全開口式
全開口式は中を洗いやすく、乾かしやすい構造です。ただし前述のとおり運搬用であり、備蓄容器ではありません。
「防災ボトル」を100均で作る場合
警視庁警備部災害対策課は2022年の公式X投稿で、約500mlの透明ウォーターボトルに次を詰める『防災ボトル』を推奨しています。
- ホイッスル
- 圧縮タオル
- エチケット袋
- ミニライト
- ビニール袋
- 常備薬
- ばんそうこう
- アルコール消毒綿
- 羊羹
- 現金
これは外出先で被災したときの携行品であり、在宅避難の備蓄とは目的が別です。両方をそろえて初めて隙間が埋まります。
100均の防災コーナーは季節変動が大きく、9月(防災の日前後)と3月に品ぞろえが厚くなる傾向があります。品切れが続くときは時期をずらすのも手です。
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ケース別の対処:家族・一人暮らし・離れて暮らす高齢親
同じ「100均で防災」でも、家族は量、一人暮らしは持ち出し、高齢親は運用が要になります。
ケース1:4人家族(在宅避難が前提)
優先順位は「携帯トイレ>水>衛生用品」です。
- 携帯トイレ60回分(3日)を確保する。42回分を規格適合品、18回分を100均品。
- 水36L(2Lペット18本)をローリングストックで回す。
- 45Lゴミ袋12枚、ウェットティッシュ12パック。
- 家具固定(後述)を同じ週末に済ませる。
収納は分散が基本です。玄関(持ち出し用)、寝室(就寝中の被災用にライトとスリッパ)、車(帰宅困難用)に分けます。
ケース2:一人暮らし(7日分)
量が少ないぶん、7日分まで一気に引き上げやすいのが利点です。
- 携帯トイレ35回分。うち25回分を規格適合品。
- 水21L(2Lペット11本)。ベッド下や玄関収納に分散。
- ゴミ袋7枚、ウェットティッシュ7パック。
- 防災ボトル1本を常時携行。
農林水産省は大規模広域災害に備えるなら1週間分の家庭備蓄を目安として示しています(2019年)。一人暮らしはこの水準に到達しやすい層です。
ケース3:離れて暮らす高齢の親(2人・7日分)
最も見落とされやすいケースです。必要量は携帯トイレ70回分、水42Lですが、量よりも「本人が使えるか」を先に確認してください。
- 実際に自分で開封・組み立てを試し、手順を写真つきの紙にする。
- お薬手帳のコピーとかかりつけ医・緊急連絡先を紙で同封。
- ホイッスルは首から下げられる形にする。
- 常備薬はローリングストック方式で、普段分と別に用意する。
- 段ボール式簡易トイレは、組み立て済みの状態で置いておくことも検討する。
送りっぱなしは避けてください。電話で「箱を開けて、1回分だけ一緒に使ってみましょう」と誘導し、一度でも実際に使ってもらうことが、当日の使用可否を分けます。
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予防・再発防止のコツ:買った後の維持管理をどうするか
100均品は安いぶん、管理の手間で品質を担保する必要があります。点検は年2回、日付を決めて行うのが現実的です。
点検のタイミング
3月と9月がおすすめです。防災の日(9月1日)と、年度替わりの3月は防災用品の売り場が充実し、買い足しがしやすいためです。
点検リスト
| 対象 | 確認内容 | 目安 |
|---|---|---|
| アルカリ乾電池 | 使用推奨期限の刻印 | 最長10年(未使用保管時) |
| 乾電池(使いかけ) | 未使用品と混ぜていないか | 混在は液もれの恐れ |
| 凝固剤 | 使用期限・固化していないか | パッケージ表記に従う |
| 食品・飲料水 | 賞味期限 | ローリングストックで消費 |
| ライト | 実際に点灯するか | その場で点灯確認 |
| 段ボール簡易トイレ | 湿気・カビ | 保管場所を見直す |
パナソニックの解説(2025年)によると、「使用推奨期限」は未使用の状態で保管された場合にJISで定められた電池性能を発揮する期限です。また、未使用電池と使いかけ電池を混在させると液もれの恐れがあり、液もれ液が目に入ると失明や化学やけどの危険があるとされています。
リチウムイオン電池搭載品の扱い
NITEによると、事故は気温上昇とともに増加し6〜8月にピークを迎えます(2025年6月26日公表)。消費者庁も2025年10月2日、モバイルバッテリー・ワイヤレスイヤホン・携帯用扇風機などによる発熱・発火事故について注意喚起を出しています。
防災リュックを車内や直射日光の当たる場所に置いている場合は、リチウムイオン電池搭載品を入れないか、置き場所を見直してください。
「買って終わり」が100均防災の最大の落とし穴です。3月と9月、年2回をカレンダーに登録しておけば、管理コストはほぼゼロになります。
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専門家・公的情報の見解:グッズより先に家具固定が効く理由
東京消防庁によると、近年の地震における「けが」のうち、家具類の転倒・落下・移動等が原因のものが全体の約30〜50%に達します(2015年)。備蓄より前に、けがの入口をふさぐ意味があります。
突っ張り棒だけでは足りない
東京消防庁の実験結果として示されているのは、次の関係です。
- 最も効果が高い:ネジで固定するL型金具
- 効果が小さい:ポール式(突っ張り棒)単独
- L型金具と同等:ストッパー式または粘着マット式 + ポール式の組み合わせ
つまり、100均の突っ張り棒や耐震ジェルは単独では力を発揮せず、組み合わせて初めて意味を持つということです。賃貸で壁にネジを打てない場合、この「組み合わせ」が現実解になります。
固定できていない理由は「お金」ではない
内閣府『防災に関する世論調査(令和7年8月調査)』(2025年)が示す、家具・家電を固定できていない理由は次のとおりです。
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| やろうと思っているが先延ばし | 38.2%(前回42.4%から低下) |
| 面倒だから | 20.7% |
| 家具や壁に傷をつけるから | 17.8% |
| 自分では作業ができないと思うから | 16.4% |
| お金がかかるから | 15.8% |
最多は「先延ばし」38.2%であり、「お金がかかるから」は15.8%にとどまります。障害はコストではなく着手です。100均で買い物をした日の帰宅後30分を、そのまま固定作業に充てるのが最も確実です。
被害想定の更新
内閣府は約10年ぶりに南海トラフ巨大地震の被害想定を見直し、2025年3月31日に公表しました。最悪ケースで死者約29万8,000人、経済的被害・影響額292兆2,000億円、津波による全壊棟数は前回比22%増の18万8千棟とされています。
また、防災庁設置法が2026年7月に公布され、内閣府防災部門を改組した『防災庁』が2026年11月1日に発足予定です。専任の防災大臣が置かれ、中央防災会議も内閣府から防災庁へ移管されます。備蓄・避難所運営の国の推進体制が変わる節目にあたるため、今後は公表される目安が更新される可能性があります。
地域によって想定される災害(地震・津波・水害・土砂)は異なります。お住まいの自治体のハザードマップを確認し、必要な備えを調整してください。
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やってはいけないNG対応:防災グッズ 100均で買ってはいけないもの
「買ってはいけない」の正体は商品そのものではなく、用途の取り違えと数の不足です。以下の5つは避けてください。
NG1:〔労・検〕ラベルのない保護帽を頭部保護に使う
厚生労働省『保護帽の規格』の型式検定合格品には〔労・検〕ラベルが貼付されます。ラベルのない保護帽は使用してはならないとされています。100均の類似品は、頭部保護の主装備にはしないでください。
NG2:給水バッグを備蓄容器として使う
セリアの非常用給水バッグ(5L・110円)は運搬用です。長期保管の容器としては想定されていません。備蓄は市販ペットボトルで行ってください。
NG3:携帯トイレを「1個ずつ」買う
必要なのは「5回×人数×日数」です。4人家族3日で60回分。1〜2個では初日の午前中で尽きます。
NG4:突っ張り棒だけで家具固定を終える
ポール式単独では効果が小さいとされています(東京消防庁・2015年)。ストッパー式または粘着マット式との併用が前提です。
NG5:使いかけ乾電池を備蓄用に混ぜる
未使用電池と使いかけ電池の混在は液もれの恐れがあります。備蓄用は未使用品のみで、使用推奨期限を確認してそろえてください。
ここに挙げたのは「100均品が悪い」という話ではありません。用途と数量を取り違えると、安く買ったこと自体が備えの穴になるという指摘です。
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まとめ:今日やるべきこと
2軸の仕分けと2つの計算式で、買い物は10分で終わります。
- 計算する:水=3L×人数×日数、携帯トイレ=5回×人数×日数。
- 仕分ける:3問フローで【OK群】【+α群】【不可群】に分ける。
- 買う:OK群は100均で数をそろえ、携帯トイレは7割を規格適合品に。
- 固定する:帰宅後30分で家具固定(ストッパー式+ポール式)。
- 登録する:3月と9月の点検日をカレンダーに入れる。
備えの完成度は、支出額ではなく「必要回数を満たしているか」で測れます。まずは携帯トイレの必要回数を紙に書き出すところから始めてください。
100均は「量」を担保する道具、規格適合品は「性能」を担保する道具です。役割を分ければ、予算も安心も両立できます。
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よくある質問
Q1. 防災グッズは100均だけで全部そろいますか?
消耗品はそろいますが、携帯トイレ・ヘルメット・モバイルバッテリーは規格適合品や検定合格品との併用をおすすめします。日本トイレ研究所の『携帯トイレに関する規格Ver.1.0』適合製品リスト(2025年12月24日現在)の登録8件に、100円ショップのプライベートブランド製品は含まれていません。用途を分けて組み合わせるのが現実的です。
Q2. ダイソーの防災グッズで今買うべきものは何ですか?
段ボール組立式の『非常用簡易トイレ』(税込550円・耐荷重80kg・24×30×32cm)と、携帯ミニトイレ(税込110円/1回分)です。ただし段ボール式は便座であり、処理袋と凝固剤は別途必要です。セットで考えてください。在庫は店舗差が大きく、防災の日(9月1日)前後は品切れが起きやすい傾向があります。
Q3. 100均の簡易トイレは何個買えばいいですか?
「5回×人数×日数」で計算してください。内閣府(防災担当)『避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン』(2016年)が成人1人あたり1日平均5回を目安としています。4人家族3日で60回分、一人暮らし7日で35回分です。うち7割を規格適合品、3割を100均品にする配分をおすすめします。
Q4. 防災ボトルは100均のものだけで作れますか?
おおむね作れます。警視庁警備部災害対策課が2022年の公式X投稿で推奨する内容(ホイッスル・圧縮タオル・エチケット袋・ミニライト・ビニール袋・常備薬・ばんそうこう・アルコール消毒綿・羊羹・現金)は、常備薬を除きほぼ100均で調達可能です。ただし防災ボトルは外出先で被災したときの携行品であり、在宅避難の備蓄とは別に用意する必要があります。
Q5. セリアの防災グッズで押さえるべきものはありますか?
非常用給水バッグ(最大水位5L/税込110円/300×435mm/ダブルジッパー全開口式)です。全開口式で洗いやすく、給水車から水を運ぶ用途に適しています。ただし備蓄容器ではないため、備蓄そのものは市販の2Lペットボトルで行ってください。1人1日3L×日数が目安です(農林水産省・2019年)。
Q6. 家具の固定に100均の突っ張り棒を使ってもいいですか?
単独ではなく、ストッパー式または粘着マット式との併用が前提です。東京消防庁(2015年)によると、ポール式(突っ張り棒)単独では効果が小さいものの、ストッパー式または粘着マット式と組み合わせるとL型金具と同等の効果になるとされています。賃貸で壁にネジを打てない場合は、この組み合わせが有力な選択肢になります。
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本記事は防災用品の一般的な選び方に関する情報提供であり、特定の製品の安全性を保証するものではありません。 商品仕様・価格・在庫は変更される場合があります。購入前に必ず現物のパッケージ表示を確認してください。持病や服薬がある方、要配慮者がいるご家庭は、備蓄内容についてかかりつけ医や自治体の防災担当窓口にご相談ください。地域によって想定される災害は異なるため、お住まいの自治体のハザードマップもあわせてご確認ください。
最終確認日:2026年8月18日




