- パッケージの数字(27/28/29)を読み替える — 2028年3月31日まで経過措置があるため、店頭では3つの表記が混在します。
- 同じブランドでもSKU単位で確認する — 尾西食品のアルファ米個袋タイプ11品のうち、27品目不使用は6品だけです。
- 量は「3日分」ではなく公的推奨で逆算する — 農林水産省は食物アレルギーのある方に最低2週間分を勧めています。
そもそもアレルギー対応非常食の基礎知識|29品目とは何か
特定原材料9品目と準ずるもの20品目
- えび/カシューナッツ/かに/くるみ/小麦/そば/卵/乳/落花生
- アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
なぜ「28品目不使用」の表示が今も残るのか
| 表記 | 意味するところ | 木の実類アレルギーの方の注意点 |
|---|
| 27品目不使用 | 改正前の旧基準で検証 | カシューナッツ・ピスタチオ・マカダミアナッツが未検証の可能性 |
| 28品目不使用 | くるみ追加後・カシューナッツ義務化前の基準 | カシューナッツ・ピスタチオが未検証の可能性 |
| 29品目不使用 | 2026年4月からの最新基準 | 現行の全対象品目を検証済み |
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何品目不使用ならどれだけカバーできるのか
特定原材料等27品目を含まない食品を用いることで、95%以上の食物アレルギーを有する者が安全に摂取できる — 日本小児アレルギー学会 災害対応委員会「大規模災害対策におけるアレルギー用食品の備蓄に関する提案」
注意品目数の表示は「その品目を意図的に原材料として使っていない」ことを示すもので、製造ラインでの混入(コンタミネーション)まで保証するものではありません。重症の即時型アレルギーがある場合は、後述の注意喚起表示の確認と、主治医への相談を優先してください。
アレルギー対応非常食の選び方|押さえるべき5つの基準
基準1:家族の原因食物を年齢層で切り分ける
| 対象 | 主に警戒する原因食物 | 非常食選びの方向性 |
|---|
| 乳幼児・小学生 | 鶏卵・牛乳・小麦 | 米系主食+乳不使用の甘味、アレルギー用ミルク |
| 成人(18歳以上) | 小麦・甲殻類・果実類 | パン系より米系、えびピラフ系の海産物フレーバーを外す |
| 高齢者 | 上記に加え咀嚼・嚥下・減塩の配慮 | 水なしで食べられるゼリー・羊羹の比率を上げる |
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基準2:ブランドではなくSKU(品番)で確認する
基準3:調理条件(水・お湯・加熱不要)で分ける
- 水またはお湯が必要:アルファ米(水160ml程度が必要な品目もあり)
- そのまま食べられる:羊羹、ゼリー、缶詰、パウチ惣菜
基準4:保存年数のばらつきを前提に管理する
基準5:注意喚起表示(コンタミネーション)を読む
注意微量でも症状が出る方の場合、品目数の不使用表示だけでは足りず、この注意喚起表示の確認が実務上の分岐点になります。判断に迷う場合は、購入前に主治医またはメーカーのお客様相談窓口に確認することが推奨されています。
尾西食品アルファ米 全11種 アレルゲン早見表|同ブランドでも半数は食べられない
| 品名 | 品番 | 希望小売価格(税抜) | 熱量 | 必要水量 | 出来上がり量 | 27品目不使用 | 含まれるアレルゲン |
|---|
| 白飯 | 101SE | 280円 | 366kcal | 160ml | 260g | ○ | — |
| わかめごはん | 601SE | 320円 | 360kcal | 160ml | 260g | ○ | — |
| 田舎ごはん | — | 340円 | 362kcal | 160ml | 260g | ○ | — |
| たけのこごはん | — | 340円 | 359kcal | 160ml | 260g | ○ | — |
| 赤飯 | 301SE | 340円 | 355kcal | 110ml | 210g | ○ | — |
| 山菜おこわ | — | 380円 | 359kcal | 110ml | 210g | ○ | — |
| 五目ごはん | — | 340円 | 377kcal | 160ml | 260g | × | 小麦・大豆 |
| 松茸ごはん | — | 400円 | 366kcal | 160ml | 260g | × | 小麦・乳成分・大豆・まつたけ |
| ドライカレー | 1001SE | 340円 | 361kcal | 160ml | 260g | × | 小麦・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン |
| チキンライス | — | 340円 | 359kcal | 160ml | 260g | × | 小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン |
| えびピラフ | 1201SE | 380円 | 361kcal | 160ml | 260g | × | えび・かに・小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン |
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※出典:尾西食品株式会社 製品規格一覧(https://www.onisifoods.co.jp/products/pdf/kikaku_01.pdf )
※松茸ごはんに表示されている「まつたけ」は、2024年3月28日の改正で推奨表示品目から削除された品目です。今後の表示更新で記載が変わる可能性があります。
- バラエティセットは要注意 — 12種セットのような商品を選ぶと、卵・乳・小麦アレルギーの方が食べられる品はおおむね半数程度にとどまります。
- 赤飯と山菜おこわは必要水量が少ない — 110ml/出来上がり210gと、他品目(160ml/260g)より水が50ml少なくて済みます。断水時の水配分では実利があります。
- アレルゲンを含む5品はいずれも味付き — 「味のバリエーションを増やしたい」という動機がそのままリスクになります。
おすすめ第1位:尾西食品 アルファ米 白飯|主食の土台にする1品
選ぶ理由:学会提案の「アルファ化米は100%アレルギー用に」に応えられる
通常のアルファ化米とアレルギー用アルファ化米は専門知識のない人には識別が困難で、併存すると誤食の危険がある — 日本小児アレルギー学会 災害対応委員会
向いている人・向かない人
- 家族に複数の原因食物がある
- 誰が取り出しても間違えない状態にしたい
- 単価を抑えて2週間分をそろえたい
- 水の確保に不安がある(160ml/食が必要)
- 味の変化を重視したい(ふりかけ等の併用が前提になります)
補足味の単調さは、後述する羊羹やゼリー、7品目不使用の缶詰惣菜を組み合わせることで解消できます。主食は安全側に倒し、副菜で変化をつける配分が扱いやすい構成です。
おすすめ第2位:井村屋 えいようかん|水なしで食べられる非常時の甘味
原材料がシンプルで確認しやすい
片手で開封できるユニバーサルデザイン
- 断水・停電で調理ができない
- 手が塞がっている、あるいは握力が弱い
- 高齢の親が一人で食べる
向き不向き
おすすめ第3位:ワンテーブル LIFE STOCK|噛む力が弱くても摂れるゼリー
高齢者・体調不良時の「食べられない」を埋める
- 発熱や胃腸不良で固形物が入らない
- 入れ歯の不調、口内炎、嚥下機能の低下
- 水が少なく、乾いた食品が飲み込みにくい
表記の読み替えが必要な点に注意
注意商品仕様や表示は改定されることがあります。購入時点で最新のパッケージ表示・メーカー公式情報を必ずご確認ください。本記事の数値は各社公表情報に基づく参考値です。
おすすめ第4位・第5位:7品目不使用の缶詰惣菜と米粉パン系
第4位:缶詰・パック惣菜(ローリングストックの主役)
- 主食に偏りがちな備蓄にたんぱく質を足せる
- 加熱不要でそのまま食べられる
- 普段の食卓で消費でき、買い足しが習慣化しやすい
- 7品目不使用は9品目・29品目より検証範囲が狭いため、原因食物が推奨側(大豆・ごま等)にある場合は原材料名の確認が必須です。
- 賞味期限が1〜3年と短めのため、5年保存品と同じ管理では期限切れを起こします。
第5位:米粉パン・パン系代替品(不足が最も大きい領域)
- まず主食(アルファ米)と甘味(羊羹・ゼリー)で最低ラインを確保する
- そのうえで米粉パンや対応クッキーを、入手できたときに買い足す
- 価格・入手性の制約があるため、全量を対応品でそろえようとせず優先順位を決める
補足「アレルギー対応非常食 パン」「アレルギー対応非常食クッキー」で探している方は、種類が限られ在庫変動も大きい前提で、見つけたタイミングで確保する運用が現実的です。
わが家のアレルギー備蓄 逆算シート|必要量を数字で出す
計算式
- 必要総食数 = 家族人数 × 3食 × 14日
- アレルギー対応食の最低ライン = 総備蓄食 × 25%(日本小児アレルギー学会が避難所向けに示す比率)
- 当事者分は100% = 当事者人数 × 3食 × 14日(当事者本人の食事は全量が対応品である必要があります)
- 主食 = 備蓄するアルファ化米の100%をアレルギー用に置換(学会提案)
- アレルギー用ミルク = 備蓄ミルク缶数 × 3%(端数切り上げ・最低1缶)
- 概算費用 = 対応食数 × 平均単価
ケースA:夫婦+卵・乳アレルギーの子ども1人(3人家族)
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|
| 必要総食数 | 3人 × 3食 × 14日 | 126食 |
| 当事者分(100%対応品) | 1人 × 3食 × 14日 | 42食 |
| 学会比率での最低ライン | 126食 × 25% | 32食(当事者分42食が上回るため42食を採用) |
| 主食の目安 | 42食のうち約6割 | アルファ米 約25食 |
| 概算費用(主食分) | 25食 × 280円 | 約7,000円(税抜) |
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ケースB:一人暮らしの成人(小麦・甲殻類アレルギー)
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|
| 必要総食数 | 1人 × 3食 × 14日 | 42食 |
| 対応品比率 | 100% | 42食 |
| 主食構成 | 米系に寄せる | 白飯・わかめごはん・赤飯を中心に |
| 概算費用(主食分) | 25食 × 280〜340円 | 約7,000〜8,500円(税抜) |
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ケースC:高齢の親2人(1人が果実類アレルギー+嚥下配慮)
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|
| 必要総食数 | 2人 × 3食 × 14日 | 84食 |
| 当事者分(100%対応品) | 1人 × 3食 × 14日 | 42食 |
| 水なしで食べられる品の比率 | 全体の3〜4割 | 25〜34食 |
| 内訳例 | 羊羹・ゼリー中心 | えいようかん・LIFE STOCK等 |
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注意上記は公表されている比率と価格に基づく試算です。実際に必要な量・種類は原因食物の数、重症度、住環境、地域のライフライン復旧見込みによって変わります。医療的な判断を伴う部分は主治医にご相談ください。
29品目時代のチェックリスト|買う前・保管中・持ち出し時の全12項目
買う前(5項目)
- パッケージの数字が27/28/29のどれかを確認する(消費者庁)
- 2028年3月31日までは経過措置中のため、「28品目不使用」表記はカシューナッツ・ピスタチオが未検証の可能性がある。家族の原因食物が木の実類なら原材料名を直接読む(群馬県 食品・生活衛生課)
- 原因食物が推奨20品目側(ごま・大豆・りんご等)なら、「特定原材料不使用」表示だけでは不足。原材料名を逐一確認する(消費者庁)
- 「本品製造工場では◯◯を含む製品を生産しています」の注意喚起表示の有無を確認する
- 同じブランドの別フレーバーを混ぜ買いしていないか、早見表と照合する(尾西食品 製品規格一覧)
保管中(4項目)
- アレルギー対応品と通常品を別容器・別色テープで物理的に隔離する — 日本小児アレルギー学会は、過去の災害でアレルギー用アルファ化米が通常品に紛れて提供され、必要とする人に渡らなかった事例を挙げています。その家庭版の対策です
- 箱の外側に大きく原因食物を書く(例:「卵・乳ダメ ○○用」)
- 賞味期限をローリングストックで管理する — 尾西食品のアルファ米5年/えいようかん5年6か月/黒潮缶詰3年/サラダチキン1年7か月と期限がバラバラである点に注意(各社公表情報・農林水産省)
- アレルギー用ミルクは別枠で数える — 学会提案では備蓄用ミルクの3%が目安(日本小児アレルギー学会)
持ち出し・避難所(3項目)
- 非常持ち出し袋に最低3日分の対応食を「自分専用」として入れる — 配給に頼らない前提で用意します
- アレルギーカード/意思表示ビブス・エピペン・お薬手帳のコピーをセットにする
- 避難所では配られた食事の原材料表示の提示を求める — 内閣府(防災担当)「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(平成25年8月策定・令和6年12月改定)では、食物アレルギーの避難者に配慮し、配られた食事の原材料を避難者が確認できるようにすることが求められています。依頼してよい配慮として指針に明記されています
目的・タイプ別の選び方|あなたはどのパターンか
小さな子どもがいる家庭
- 主食:アルファ米の白飯を中心に統一(味付きは混ぜない)
- ミルク:アレルギー用ミルクを別枠で確保(備蓄ミルクの3%が学会目安)
- 甘味:えいようかんなど特定原材料等不使用品
- 追加:食べ慣れた対応食品を必ず数食分(非常時は初めての味を受け付けないことがあります)
一人暮らしの成人
- 42食(2週間分)を1〜2箱に収める設計
- 原因食物が小麦・甲殻類なら、パン系とえびピラフ系を最初から除外
- 職場・車にも数食分を分散配置(自宅に戻れない想定)
高齢の親のために備える
- 水なしで食べられる品を全体の3〜4割
- ゼリー・羊羹の比率を上げ、固い乾物系は減らす
- 減塩が必要な場合は塩分表示も確認
- 親が一人で開けられるかを実際に開封して確認しておく
補足離れて暮らす親に送る場合は、箱に「これはアレルギー対応品」「賞味期限◯年◯月」と大きく書いて送ると、本人が判断に迷いません。
利用開始までの流れ|今日から2週間でそろえる手順
- 家族全員の原因食物をリスト化する(30分) — 診断名・重症度・エピペンの有無をメモにまとめます。母子手帳や診療情報提供書を確認してください。
- 必要総食数を逆算する(15分) — 家族人数×3食×14日。当事者分は100%対応品で計算します。
- 主食を先に確保する(当日〜1週間) — アルファ米の不使用品目を単品またはケースで購入。ここが最も量が必要で、価格も読めます。
- 副菜・甘味を足す(1〜2週間) — 7品目不使用の缶詰惣菜、羊羹、ゼリー。米粉パンやクッキーは入手できたときに追加します。
- 隔離保管と持ち出し袋を作る(1時間) — 別容器・別色テープで区分し、外箱に原因食物を明記。持ち出し袋に3日分+アレルギーカード+お薬手帳のコピーを入れます。
メリットと注意点|アレルギー対応非常食を備える現実
メリット
- 配給の不確実性を回避できる — 避難所の炊き出しや配給は原材料が不明な場合があります。自宅備蓄があれば、その判断に迫られる回数が減ります。
- 家族全員が同じものを食べられる — 対応品で統一すれば、取り違えのリスク自体が消えます。
- 平時にも使える — ローリングストックにすれば、体調不良時や買い物に行けない日の備えにもなります。
注意点
- 価格が高く、入手先が限られる — 日本ハムの調査(2024年発表、n=422)でも、不満の上位は「価格が高い」「手に入る店が限られる」「メニュー・種類が少ない」でした。計画的な買い足しが前提になります。
- 表示は変わる — 2026年4月に29品目化、2028年3月に経過措置終了と、この数年は表示が動きます。数年前に買った備蓄の表示が現行基準と異なる可能性があります。
- 地域差・家庭差がある — ライフラインの復旧見込み、住居形態、保管スペースによって必要量は変わります。自治体の防災計画も併せて確認してください。
- 医療的判断は代替できない — 重症度やエピペンの要否は個別性が高い領域です。
注意本記事は公表されている一次情報に基づく一般的な情報提供です。食物アレルギーの診断・除去範囲・緊急時対応については、必ず主治医やアレルギー専門医にご相談ください。商品の仕様・表示は変更される場合があるため、購入時点の最新表示をご確認ください。
支援の仕組みも知っておく
まとめ|29品目時代の備え方
よくある質問
非常食のアレルギー対応は、何品目不使用を選べばよいですか
アレルギー対応非常食のパンは、どう選べばよいですか
アレルギー対応非常食のクッキーやお菓子は必要ですか
アレルギー対応非常食のセットを買えば安心ですか
アレルギー対応の非常食カレーはありますか
備蓄は3日分では足りないのですか
- 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/
- 群馬県 食品・生活衛生課「ぐんま食の安全・安心ポータルサイト」 https://www.pref.gunma.jp/site/shokunoanzen/200266.html
- 日本小児アレルギー学会 災害対応委員会「大規模災害対策におけるアレルギー用食品の備蓄に関する提案」 https://www.jspaci.jp/gcontents/antiallergic-food/
- 農林水産省 家庭備蓄ポータル「アレルギーの方こそローリングストック!」 https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/imadoki/imadoki11.html
- 内閣府(防災担当)「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」 https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/2412kankyokakuho.pdf
- 尾西食品株式会社 製品規格一覧 https://www.onisifoods.co.jp/products/pdf/kikaku_01.pdf
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