防災リュック中身リスト|体重の10〜15%で組む引き算の設計
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防災リュック中身リスト|体重の10〜15%で組む引き算の設計

防災リュックの中身リストで最初に決めるべきは、品目ではなく総重量の上限です。京都光華大学 防災ラボ(2026年3月3日)は、研究レビューを踏まえて防災リュックの現実的な重量目安を「体重の10〜15%」としています。体重50kgなら5.0〜7.5kg、70kgなら7.0〜10.5kgです。

一方、世の中の「最低限リスト」をすべて詰めると、この予算はほぼ確実に超えます。だから本記事は、中身を足していくリストではなく、重量予算を先に決めて配分する「引き算のリスト」として組み立てます。あふれた分は捨てるのではなく、「自宅に置く」「離れて暮らす親の家に送る」へ振り分けます。

ポイント

手順は3つだけです。①自分の体重×0.10〜0.15で予算kgを出す ②予算を「命を守る層/72時間つなぐ層/健康を守る層」に配分する ③入りきらない分を自宅・親の家に分散する。

結論:防災リュックの中身リストは「重量予算→3層配分→3分割」で決まる

防災リュックの中身は、体重の10〜15%を上限予算とし、命を守る層・72時間つなぐ層・健康を守る層の3層に配分して決めます。入りきらない分は自宅備蓄と親の家へ回します。

従来よく見る目安は「成人男性15kg・成人女性10kgまで」です。ただしこれは平均体重比で男性22.2%・女性19.2%に相当し、階段を降りて避難する前提では過大とされています(京都光華大学 防災ラボ、2026年)。防災リュックは背負って歩けて初めて意味を持ちます。

まず決めるのは「入れる物」ではなく「持てる重さ」です

重量から逆算すると、優先順位の判断が一気に楽になります。

上位の防災記事に並ぶ「水・非常食・懐中電灯・携帯ラジオ・モバイルバッテリー・簡易トイレ・救急セット・常備薬・貴重品・衣類」は、どれも正しい品目です。問題は、それを全部フルサイズで入れると10kgを軽く超えることです。足す議論はもう十分にあるので、本記事は引く議論をします。

「持ち出す物」と「家に置く物」を最初に切り分けます

避難所に行く前提だけで考えると、リュックは必ず重くなります。

内閣府の令和7年版防災白書(2025年)によると、令和6年能登半島地震の住家被害は全壊6,520棟に対し、半壊・一部破損は158,120棟でした。つまり被害の大半は「家に留まる/戻れる」側です。在宅避難の可能性が高いなら、リュックは初動の数時間〜1日を支える最小構成にし、残りは自宅備蓄に置くほうが合理的です。

注意

在宅避難を前提にできるかは、建物の耐震性・浸水想定・土砂災害警戒区域の指定によって変わります。お住まいの自治体のハザードマップで、まず自宅が「留まれる場所」かどうかを確認してください。地域差が大きい部分です。

なぜ市販リスト通りに詰めると重すぎるのか?

なぜ市販リスト通りに詰めると重すぎるのか?

原因は3つあります。①重量の目安が体重比で語られていない ②水と携帯トイレが重量を占有する ③「念のため」の予備が積み上がる、という構造的な問題です。

原因1:15kg/10kgという目安が体重を無視しています

体重45kgの人と体重80kgの人に同じ上限を当てるのは無理があります。

従来の「男性15kg・女性10kg」は絶対値の目安です。これを体重比に直すと男性22.2%・女性19.2%になり、研究レビューが示す10〜15%の上限を大きく超えます(京都光華大学 防災ラボ、2026年3月)。平地を数分歩くのと、停電した階段を降りるのは別の運動です。

防災リュックの重さの目安は、体重の10〜15%程度が現実的である。(京都光華大学 防災ラボ「防災リュックの重さの目安を研究論文から考える」2026年3月3日、黒田ら2022・Brackley & Stevenson 2004ほかのレビューより)

原因2:水と携帯トイレが予算を食い尽くします

重量の主犯は、ほぼ例外なく水とトイレです。

水は1人1日3Lが備蓄の目安とされています(大阪府 非常持ち出し品・備蓄品ページ)。3Lは約3kgです。体重50kgの人の上限7.5kgに対し、水を1日分入れるだけで予算の4割が消えます。携帯トイレも、必要回数を真面目に計算すると同様に重くなります。

原因3:「念のため」が3層すべてに分散して増えます

予備の電池、予備の下着、予備のモバイルバッテリー。1つ200gでも10個で2kgです。

予備を減らす代わりに、自宅・車・親の家という「別の置き場所」に移すのが引き算の考え方です。持ち出せる量は変わらないので、置き場所を増やすしかありません。

補足

内閣府の防災に関する世論調査(令和7年8月調査、2025年)は、全国18歳以上3,000人を対象に実施され、有効回収1,551人(回収率51.7%)でした。この調査では家庭で3日分以上備蓄している割合が飲料水69.8%、食料59.7%、衛生用品38.7%、携帯・簡易トイレ27.5%と報告されています。重い物・置き場所を取る物ほど備蓄率が下がる傾向が読み取れます。

自分の防災リュックが重すぎるかをどう見分ける?

判定方法は1つです。中身を詰めた状態で背負い、自宅の階段を上下1往復してみて、息が上がって手すりが必要なら重すぎます。数値の目安は体重×0.10〜0.15kgです。

早見表:体重から重量予算を出します

ステップ1として、自分の体重から上限を確認します。

体重下限(体重×0.10)上限(体重×0.15)リュック本体1.0kgを引いた中身予算
45kg4.5kg6.8kg3.5〜5.8kg
50kg5.0kg7.5kg4.0〜6.5kg
55kg5.5kg8.3kg4.5〜7.3kg
60kg6.0kg9.0kg5.0〜8.0kg
70kg7.0kg10.5kg6.0〜9.5kg
80kg8.0kg12.0kg7.0〜11.0kg
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※体重比の考え方は京都光華大学 防災ラボ(2026年3月3日)に基づきます。リュック本体は防災用の30L前後で0.7〜1.2kg程度が一般的なため、ここでは1.0kgを控除しています。ご自身のリュックは実際に量ってください。

3つのサインで「重すぎ」を判定します

数字より体感のほうが確実な場面もあります。

  1. 階段テスト:3階分を降りて、途中で下ろしたくなる。
  2. 片手テスト:床から片手で持ち上げられない(避難時は片手がふさがることが多いためです)。
  3. 10分テスト:背負って10分歩くと肩か腰が痛む。
ポイント

高齢の方、腰痛のある方、小さな子どもの手を引く方は、上限側(15%)ではなく下限側(10%)で設計してください。子どもを抱えれば実質の負荷は一気に増えます。

具体的な解決方法:重量予算逆算シートで中身リストを作る

解決策は、予算kgを3層に配分し、アイテムごとの重量を実測して積み上げる方法です。水500mlは約0.5kg、つまり1本増やすたびに予算を0.5kg消費します

ステップ1〜2:予算を確定します

計算は2行で終わります。

  1. 体重 × 0.10 〜 体重 × 0.15 = リュック総重量の下限〜上限
  2. 上限 − リュック本体の実測重量(0.7〜1.2kg程度)= 中身に使える予算

例:体重50kg → 総重量5.0〜7.5kg → 本体1.0kgを引いて中身予算は4.0〜6.5kg

ステップ3:予算を3層に配分します

配分比は「命を守る層3割・72時間つなぐ層5割・健康を守る層2割」を目安にします。

下表は体重50kg・中身予算6.0kgの場合の配分例です。重量は一般的な製品重量の概算値で、必ずご自身の手持ち品をキッチンスケールで量り直してください(製品によって数百g単位で変わります)。

目的配分比の目安該当アイテム小計
①命を守る層建物から出る・けがを防ぐ約30%(1.8kg)折りたたみヘルメットまたは防災ずきん、ホイッスル、LEDライト、軍手、厚手の靴下、レインウェア約1.8kg
②72時間つなぐ層移動中と初動を支える約50%(3.0kg)水500ml×2〜3本(1.0〜1.5kg)、非常食(アルファ米・栄養バー等)0.5kg、携帯トイレ3〜5回分0.3kg、モバイルバッテリー0.25kg、携帯ラジオ0.2kg、乾電池0.1kg約3.0kg
③健康を守る層体調悪化と関連死を防ぐ約20%(1.2kg)常備薬・お薬手帳のコピー、歯ブラシ、アルミブランケット、マスク、ウェットティッシュ、生理用品、絆創膏・消毒約1.2kg
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トレードオフを1行の式で見る

迷ったときは、増やす物と減らす物を式で見比べます。

  • 水500mlを1本増やす = 予算を0.5kg消費 → 体重50kg・上限7.5kgなら水は最大3本前後が限界
  • ヘルメット(約400g)を防災ずきん(約200g)に替える = 0.2kg浮く → 水をもう半本入れられる
  • 缶詰(1缶約350g)をアルファ米(1食約100g)に替える = 1食あたり0.25kg浮く
  • モバイルバッテリー20,000mAh(約350g)を10,000mAh(約180g)に替える = 0.17kg浮く
まとめ

中身リストは「何を入れるか」ではなく「何を入れないか」で完成します。予算を超えたら、必ずどれかを自宅か親の家へ移してください。

リュック・自宅・親の家にどう振り分ける?(世帯タイプ別)

振り分けの原則は、初動に必要な物だけリュックへ、量が要る物は自宅へ、届けにくい物は親の家へです。特に携帯トイレは、必要総量がリュックに入らないため分割が前提になります。

携帯トイレは「回数」で計算します

神奈川県「携帯トイレを備蓄しましょう」(2026年6月15日更新)によると、1日の排泄の平均回数は1人5回で、備蓄は最低3日分、可能なら7日分とされています。

計算式は「5回 × 人数 × 日数」です。4人家族の7日分は140回分になります。これは重量・体積ともにリュックに入る量ではありません。したがって、リュックには1人3回分程度の初動分だけ入れ、残りは自宅に置きます。

避難所側も当てにはできません。内閣府(防災担当)の避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン(令和6年12月改定)では、発災当初は避難者50人に1基、その後20人に1基、男性用と女性用の比率は1対3を目安としています。50人に1基は、行列が前提の数字です。

注意

内閣府の世論調査(令和7年8月調査)で携帯・簡易トイレの3日分以上備蓄率は27.5%と、飲料水69.8%に比べて大きく見劣りします。後回しにされる理由は「重さと置き場所」です。だからこそ、リュックに全部入れようとせず、自宅の押し入れやトイレの棚に分けて置く設計が現実的です。

一人暮らし(賃貸単身)の振り分け

単身は置き場所が最大の制約です。リュックは軽く、自宅は縦に積みます。

アイテム①リュック②自宅備蓄③親の家へ送る配分の根拠
水500ml2〜3本6L(1人1日3L×2日)2Lボトル数本1人1日3Lの目安(大阪府)。重量上限のためリュックは初動分のみ
非常食1〜2食3日分以上3日分以上3日分以上の備蓄率は食料59.7%(内閣府2025年)
携帯トイレ3回分15〜35回分15回分以上5回×1人×3〜7日(神奈川県)。避難所は当初50人に1基
モバイルバッテリー1個(10,000mAh程度)1個1個予備は自宅へ。リュック内の長期放置は避ける
常備薬・お薬手帳コピー3日分+コピー予備分親の分も別途停電・通信障害時は紙が確実(厚生労働省)
生理用品2〜3日分1周期分以上衛生用品の3日分以上備蓄率は38.7%(内閣府2025年)
アルミブランケット1枚1枚1枚軽量(約50〜80g)で低体温対策の費用対効果が高い
現金(小銭)千円札+10円玉数枚予備予備停電時は電子決済もATMも使えない場合があります
歯ブラシ1本家族分1本口腔の衛生低下は誤嚥性肺炎の一因とされています
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大人2+子ども2の4人家族の振り分け

家族は「量」が跳ね上がるため、リュックには入れきれません。

アイテム①リュック(4人分の合計)②自宅備蓄③親の家へ送る配分の根拠
水500ml各自2本(計8本=約4kg/各自1kg)36L(3L×4人×3日)別途重量は各自の予算内に収める
非常食各自1〜2食3日分×4人以上移動中の分だけ携行
携帯トイレ各自3回分(計12回分)60〜140回分別途5回×4人×3〜7日=60〜140回(神奈川県)
おむつ・おしりふき半日分1週間分以上里帰り想定で少量子どもは中断できない消耗品です
子どもの衣類・靴上下1組サイズ更新分子どもは半年でサイズが変わります
携帯ラジオ1台(世帯で1台)予備電池1台重複を避けて世帯単位で持つ
救急セット1式(軽量版)充実版1式リュックは応急、自宅は本格
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離れて暮らす高齢の親2人の振り分け

親の家には、重い物ほど先に送っておくのが最も効果的です。

アイテム①親のリュック②親の家の備蓄③あなたが用意・送る物配分の根拠
常備薬(1週間分)携行予備受診時に相談し予備を確保薬の中断は体調悪化に直結します
お薬手帳のコピー必須保管コピーを作って同封停電・通信障害時はデジタルが使えません(厚生労働省2025年)
入れ歯洗浄剤・口腔ケア用品少量1か月分まとめて送付口腔ケアは肺炎予防の観点で重視されています
保温グッズ(毛布・カイロ)ブランケット1枚毛布かさばる物こそ送付低体温は高齢者ほど危険が高いとされます
水・非常食各自最小限3日分以上定期購入で自動補充重い物を運ばせない
携帯トイレ3回分30回分以上送付5回×2人×3〜7日=30〜70回(神奈川県)
補聴器の電池・老眼鏡の予備携行予備型番を控えて手配情報を受け取れないことが最大のリスクになります
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注意

内閣府の令和7年版防災白書(2025年)によると、令和6年能登半島地震の死者・行方不明者594名のうち災害関連死は364名でした。持ち出す物を選ぶ基準は「派手な防災グッズ」ではなく、薬の継続・保温・口腔ケア・水分といった、体調悪化を防ぐ地味な品目に置くのが理にかなっています。

ケース別の対処:一人暮らし・女性・高齢の親

ケースごとに変わるのは品目より配分と置き場所です。共通の骨格(重量予算→3層→3分割)は同じまま、優先度だけを入れ替えます。

一人暮らしの現実解は「リュックを軽くして在宅備蓄に寄せる」

単身の賃貸では、大型の防災セットは置き場所が確保できません。

  1. リュックは体重の10%側で設計し、玄関に1つだけ置きます。
  2. 水・食料・携帯トイレの本体量は、押し入れ下段やベッド下に分散します。
  3. 職場や外出先で被災する可能性を踏まえ、携帯トイレ1〜2回分・モバイルバッテリー・現金小銭・薬1日分だけの「0次持ち出し」を通勤かばんに常備します。
  4. 半年に一度、玄関から階段を降りるテストをします。

女性向けの追加は「衛生・防犯・視線」の3点です

「防災リュックの中身リスト 女性」で不足しがちなのは、生理用品以外の視点です。

  • 生理用品(2〜3日分をリュック、1周期分以上を自宅)。衛生用品の3日分以上備蓄率は38.7%にとどまります(内閣府2025年)。
  • 携帯トイレと目隠しポンチョ(着替え・授乳・排泄時に使えます)。避難所トイレは当初50人に1基で、男女比1対3が目安とされます(内閣府ガイドライン、令和6年12月改定)。
  • 防犯ブザーまたはホイッスル、暗所を照らすヘッドライト(両手が空きます)。
  • ドライシャンプー、からだ拭きシート、使い捨て下着。
ポイント

女性向けの追加分は合計で500g前後に収まります。予算内で最も効果が高いのはポンチョとヘッドライトです。どちらも「使える場所と時間」を増やします。

高齢の親には「物」より先に「制度」を確認します

親の準備は、リュックを送る前に自治体の窓口で確認できることがあります。

内閣府・消防庁の調査(令和7年4月1日現在)では、避難行動要支援者名簿は全1,741市町村で作成済み、個別避難計画の未作成市町村は50団体(2.9%)まで減少しました(前年は141団体・8.2%)。親が住む自治体に「個別避難計画」の作成状況を電話で確認するのが、最も効果の大きい一手になり得ます。

医療情報については、厚生労働省(2025年)によると、被災地の医療機関・薬局では「災害時医療情報閲覧機能(災害時モード)」により、マイナンバーカードを持参していなくても氏名・生年月日・性別・住所等で薬剤情報や資格情報を確認できるとされています。ただし停電・通信障害時は使えないため、紙のお薬手帳(またはコピー)の携行は引き続き重要です。

補足

品目と数量の目安づくりには、東京都の「東京備蓄ナビ」(2021年公開)が便利です。家族構成(性別・年代)と住まいの種類を入力すると、乳幼児がいれば離乳食、高齢者がいれば入れ歯洗浄剤などが自動で追加されたリストが出ます。本記事の重量予算と組み合わせると、「必要量」と「持てる量」の差が可視化できます。

予防・再発防止:年2回・10分の点検チェックリスト

防災リュックは作った日から劣化が始まります。点検日は3月1日と9月1日(防災の日)に固定し、印刷して蓋の裏に貼るのが続けるコツです。

印刷用チェックリスト(所要10分)

上から順に、危険度の高い順に並べています。

  • [ ] モバイルバッテリーの膨張・変形・発熱跡がないか/残量50%前後で保管できているか ── NITEの2025年度事故情報収集報告書(2026年公表)では、モバイルバッテリーを含む「充電器」が製品群別の事故発生数でトップになりました。リュック内で数年放置される前提のため最上段に置きます。
  • [ ] 乾電池の液漏れ・使用推奨期限 ── 液漏れはライトやラジオ本体を壊します。
  • [ ] 非常食と水の賞味期限 ── 次回点検日(半年後)までに切れる物は今日消費し、買い足します。
  • [ ] 常備薬の有効期限とお薬手帳コピーの更新 ── 処方が変わっていないか確認します。災害時医療情報閲覧機能は停電・通信障害時に使えないため、紙は残します。
  • [ ] 携帯トイレの回数が現在の家族人数に合っているか ── 5回×人数×日数で再計算します(神奈川県)。
  • [ ] 衣類・靴のサイズと季節 ── 子どもは半年でサイズが変わります。夏物・冬物も入れ替えます。
  • [ ] 現金の小銭 ── 公衆電話や自販機で使えます。停電時にキャッシュレスは使えないことがあります。
  • [ ] 実際に背負って玄関から階段を降りてみる ── 重量予算内かを体で再確認します。
  • [ ] 高齢の親の家のリュックも同じ日に電話で確認 ── 必要なら自治体に個別避難計画の作成状況を聞きます。
まとめ

点検の本質は、「重量予算を守れているか」を年2回リセットすることです。中身は放っておくと必ず増えます。

専門家・公的情報の見解

公的情報は「品目リスト」と「数量の根拠」の両方を出しています。まずは首相官邸と自治体のチェックリストを土台にし、重量は研究ベースの目安で調整するのが現実的です。

押さえておきたい一次情報

出典に当たれば、数量の根拠が確認できます。

情報源分かること発表・更新
首相官邸「災害の『備え』チェックリスト」貴重品・避難用具・生活用品・衛生用品・高齢者/乳幼児のための備えの区分2025年時点で公開
内閣府 防災に関する世論調査(令和7年8月調査)3日分以上の備蓄率(飲料水69.8%/食料59.7%/衛生用品38.7%/携帯・簡易トイレ27.5%)2025年10月公表
内閣府 避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン当初50人に1基・その後20人に1基、男女比1対3令和6年12月改定
神奈川県 携帯トイレを備蓄しましょう1人1日5回、最低3日分・可能なら7日分2026年6月15日更新
京都光華大学 防災ラボ防災リュックの重量は体重の10〜15%が現実的2026年3月3日
東京都 東京備蓄ナビ家族構成別の必要品目・数量の自動リスト化2021年公開
NITE 2025年度 事故情報収集報告書充電器(モバイルバッテリー含む)が事故件数トップ2026年公表
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制度も動いています(2026年時点)

体制面の変化も、今後の情報源に影響します。

防災庁設置法が2026年7月13日に成立し、7月14日に公布されました。防災庁は2026年11月1日に発足予定で、内閣府防災担当の約220人から1.6倍の352人規模へ拡充されるとされています。あわせて災害対策基本法も改正され、被災者の良好な生活環境の確保が基本理念に追加されました。避難所の環境やトイレの基準は今後も更新される可能性があるため、点検時に最新版を確認してください。

やってはいけないNG対応

最も避けたいのは、「一度作って、そのまま数年置く」ことです。中身の劣化と家族構成の変化が同時に進み、いざというときに機能しません。

  1. 市販セットを買って中身を一度も出さない ── 自分の体重に対して重すぎることがあります。まず量って、背負ってください。
  2. モバイルバッテリーを満充電のまま数年放置する ── NITEの2025年度報告では充電器類の事故が最多でした。膨張・変形があれば使用を中止し、自治体の回収ルールに従って処分します。
  3. 携帯トイレを「1袋だけ」入れて安心する ── 1人1日5回が目安です(神奈川県)。1袋では初動の半日ももちません。
  4. 重いガラス容器・大型缶詰を入れる ── 割れる、重い、開けにくいの三重苦です。
  5. 薬をリュックに入れっぱなしにする ── 高温多湿で品質が変わることがあります。処方の変更にも追随できません。管理方法は薬剤師に相談してください。
  6. 親の家に「送っただけ」で終える ── 開封・設置・置き場所の共有までがセットです。電話で場所を確認してください。
  7. リストを増やすことを目的にする ── 背負えなければ、中身は無いのと同じになります。
注意

本記事の重量目安・数量目安は、一般的な成人・標準的な住環境を前提としたものです。持病のある方、妊娠中の方、要介護の方、乳幼児のいるご家庭では条件が大きく変わります。薬や医療機器については主治医・薬剤師に、避難行動については自治体の防災担当窓口にご相談ください。

まとめ:今日やる3つのこと

やることは、買い足しではなく「量る・並べる・分ける」です。

  1. 体重×0.10〜0.15を計算し、自分の重量予算をメモに書く(体重50kgなら5.0〜7.5kg)。
  2. 今あるリュックを全部出して、キッチンスケールで量り、3層に並べ直す。
  3. 予算を超えた分を「自宅」「親の家」に振り分け、携帯トイレの回数だけは5回×人数×日数で計算し直す。

所要は1時間ほどです。買い物は、この3つが終わってからで間に合います。

まとめ

防災リュックの中身リストは、体重の10〜15%という物理的な制約の中で完成させるものです。足りない分は「持たない」のではなく「別の場所に置く」。この設計にすれば、リストは現実に背負える形で残ります。

よくある質問

Q1. 防災リュックの中身チェックリストはどこで手に入りますか?

首相官邸の「災害の『備え』チェックリスト」(PDF)が土台としておすすめです。貴重品・避難用具・生活用品・衛生用品・高齢者/乳幼児のための備えの区分で整理されています。数量の目安が欲しい場合は、東京都の「東京備蓄ナビ」(2021年公開)で家族構成を入力すると、必要品目と数量が自動でリスト化されます。本記事の重量予算表と併用してください。

Q2. 防災リュックの中身リストで女性が追加すべき物は何ですか?

生理用品(リュックに2〜3日分、自宅に1周期分以上)、目隠しポンチョ、ヘッドライト、防犯ブザーまたはホイッスル、からだ拭きシートの5点です。合計500g前後で収まります。避難所のトイレは発災当初50人に1基、男女比1対3が目安とされており(内閣府ガイドライン、令和6年12月改定)、携帯トイレとポンチョの組み合わせが実用的です。

Q3. 防災リュックは何kgまでが目安ですか?

体重の10〜15%が現実的な上限とされています(京都光華大学 防災ラボ、2026年3月)。体重50kgなら5.0〜7.5kg、70kgなら7.0〜10.5kgです。従来よく見る「男性15kg・女性10kg」は平均体重比で約20%に相当し、階段を降りて避難する前提では過大と指摘されています。判定は、実際に背負って階段を1往復してみるのが確実です。

Q4. 携帯トイレは何回分をリュックに入れればよいですか?

リュックには1人3回分程度、残りは自宅に備蓄するのが現実的です。神奈川県(2026年6月15日更新)によると1日の排泄は1人平均5回で、備蓄は最低3日分・可能なら7日分とされます。4人家族の7日分は140回分になり、リュックには入りません。内閣府の世論調査(令和7年8月調査)でも携帯・簡易トイレの3日分以上備蓄率は27.5%と最下位でした。

Q5. 離れて暮らす親の防災準備は何から始めればよいですか?

物を送る前に、親が住む自治体に「個別避難計画」の作成状況を確認するところから始めてください。内閣府・消防庁の調査(令和7年4月1日現在)では、未作成の市町村は50団体(2.9%)まで減少しています。あわせて、薬1週間分・紙のお薬手帳のコピー・保温グッズ・携帯トイレ(5回×2人×3〜7日)を送ります。停電・通信障害時はマイナ保険証の災害時医療情報閲覧機能が使えないため、紙の情報は残しておいてください。

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本記事は公的機関の公表資料と研究レビューをもとに構成しています。制度・基準・数値は改定されることがあります。重量や数量の目安は一般的な成人を想定したもので、持病・妊娠・要介護などの条件により適切な内容は変わります。医療に関することは主治医や薬剤師へ、避難行動に関することはお住まいの自治体の防災担当窓口へご相談ください。

最終確認日:2026年9月4日

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